
治療を受けに来ていただく際の、ちょっとした注意事項についてのご案内です。
今回は「普段飲んでいるお薬」についてのお願いです。
ご来院される方の中には、いつも服用しているお薬を、自己判断であえて飲まずに来院される方が時々いらっしゃいます。理由を伺うと「なんとなく飲まない方が良い気がしたから」というお答えが多いのですが、実はこれはかえって治療や処方に支障が出てしまうことがあります。
例えば、高血圧でお薬を服用されている方の場合、普段きちんと内服して血圧が安定している状態であることが前提で診察や処方を行います。しかし、受診当日だけお薬を飲まずに来てしまうと、血圧が一時的に高くなり、測定時に基準値を超えてしまうことがあります。その結果、安全面を考慮して、本来処方できるはずのお薬が処方できなくなってしまうケースが出てきます。
とくにED治療薬などは、血圧がきちんとコントロールされている方にのみ、安全性を確認したうえで処方しています。普段は問題なくコントロールできているにもかかわらず、受診時だけ内服を中断してしまったことで処方できなくなるのは、患者様にとっても非常に残念なことです。
また意外と多いのが、「飲んでいるお薬の名前が分からない」というケースです。お薬の内容が分からないと、飲み合わせの確認や安全な処方の判断ができません。実際には、お薬同士の相互作用によって副作用が強く出てしまうこともあり得ますし、薬の種類によっては手術や処置が受けられない場合もございます。
例えば、血液をサラサラにするお薬(抗凝固薬・抗血小板薬など)を服用されている方は、出血が止まりにくくなるため、手術や侵襲的な処置を行う場合には、一定期間の休薬が必要になることがあります。このような判断は、患者様の全身状態や基礎疾患を踏まえ、医師が慎重に行う必要があります。
正確な服薬情報がとても重要です。
そのため、診察時、またはご予約の段階で、次の2点をぜひ心がけてください。
•現在飲んでいるお薬の名前が分かるようにしてください
(お薬手帳や薬の写真でも構いません)
•普段通り、医師から指示されているお薬はきちんと服用して来院ください
(「念のため飲まない」は避けてください)
正確な服薬情報は、安全で適切な診療を行ううえで欠かせない大切な情報です。安心して治療を受けていただくためにも、どうぞご協力をお願いいたします。
記事投稿:岡山中央クリニック カウンセラー 向山真弘



















